呼吸器内科
呼吸器内科とは
呼吸器内科は、肺や気管支、喉、鼻など、呼吸に関わる器官に関連する疾患を診断・治療する診療科です。
呼吸器の病気は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、放置すると重篤な結果を招くことがあります。
呼吸器内科では、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎、肺がん、気管支炎、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな呼吸器疾患に対応しています。
止まらない咳
咳は単なる風邪の症状と思われがちですが、実はさまざまな原因が潜んでいることがあります。
特に長引く咳は、体力を消耗させるだけでなく、周囲に感染を広げるリスクもあります。
咳は1回するごとに約2カロリーを消費すると言われており、10回の咳で10分間の散歩と同等のエネルギーを消耗します。
咳の原因や種類について理解し、適切な対処法を見つけることが重要です。
咳のメカニズム
咳は、体内の異物や刺激を排除するための防御反応です。
喉や気管支、肺などに異物や刺激が入ると、受容体がそれを感知し、脳の咳中枢に信号を送ります。
脳はこの信号を受けて呼吸筋や横隔膜に指令を出し、咳を引き起こして異物を排出しようとします。
これが「咳反射」と呼ばれるメカニズムです。
咳は、気道に何らかの異常が発生していることを知らせる警報器の役割を果たしています。
咳の原因について
咳の原因は、大きく分けて上気道(咽頭、喉頭、声帯など)と下気道(気管支、肺など)に関連しています。
上気道の咳の原因には、咽頭炎や喉頭炎、後鼻漏、逆流性食道炎などがあります。
一方、下気道の咳の原因としては、気管支炎や肺炎、気管支喘息、肺がん、心不全などが考えられます。
これらの症状は、咳の種類や持続時間、痰の有無によって異なります。
咳の種類について
咳は持続時間や症状の強さによって分類されます。
急性の咳(3週間以内)は感染症が主な原因であり、咽頭炎や気管支炎、肺炎などが挙げられます。
遷延性咳嗽(3週間以上8週未満)や慢性の咳(8週間以上)は、咳喘息や逆流性食道炎、肺がんなどの可能性が考えられます。
また、痰を伴う湿性咳嗽と、痰を伴わない乾性咳嗽に分類され、原因となる疾患も異なります。
止まらない咳の治療
止まらない咳を治すためには、まずその原因を特定することが重要です。
市販の咳止め薬や処方薬は、咳反射を抑えることで症状を和らげますが、根本的な原因を解決するものではありません。
特に、慢性咳嗽の場合は、気管支喘息や咳喘息、逆流性食道炎、さらには肺がんや結核など、命に関わる病気が潜んでいる可能性があります。
そのため、慢性の咳に悩んでいる方は、早めに呼吸器内科を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
当院の検査・流れ
採血
採血は、患者様の体内の状態を把握するための基本的な検査です。
血液中の成分を分析することで、炎症の有無、肝機能、腎機能、血糖値、コレステロール値など、さまざまな情報を得ることができます。
採血結果は通常翌日以降にお知らせします。
レントゲン
レントゲン検査は、胸部や腹部の臓器の状態を確認するための画像診断です。
特に、肺や心臓、大動脈などの異常を早期発見するのに役立ちます。
レントゲン検査は痛みがなく、数分で終了します。
検査結果はその場で確認し、必要に応じて追加の検査や治療を行います。
呼吸機能検査(スパイログラム)
呼吸機能検査は、肺の機能を評価するための重要な検査です。
スパイログラムと呼ばれる装置を使って、呼吸の際に肺がどれだけ空気を吸い込み、吐き出せるかを測定します。
この検査は、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの診断や治療効果の確認に使用されます。
検査は簡単で、患者様が装置に向かって呼吸を行うだけで済みます。
検査の流れ
STEP01
問診・聴診
初めに、症状や既往歴について詳しくお伺いします。
また、聴診器を使って心音や呼吸音を確認し、体全体の状態を把握します。
STEP02
採血・レントゲン
採血を行い、必要に応じて胸部や腹部のレントゲン検査を行います。
これにより、体内の異常や炎症の有無を確認します。
STEP03
呼吸器の検査
呼吸機能検査を実施し、肺の健康状態を詳しく調べます。
検査結果をその場で説明し、今後の治療方針を決定します。