ダイエットをしていないのに体重が減ると、不安を感じることがありますよね。
体重の減少は生活習慣の影響かもしれませんが、病気のサインであることもあります。
この記事では、急な体重減少の原因として考えられる病気と、早めの対応が大切な理由についてお伝えします。
体重減少とは
たとえば、体重60kgの人であれば、3kg以上の減少がこれに該当します。
一般的には「痩せ」とも言われますが、肥満の人が意図的にダイエットをして体重を減らした場合は含まれません。
体重が減少する主な原因として、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスが崩れることが挙げられます。
また、体重の約2/3は水分で構成されているため、脱水症や発熱などで水分が不足した場合も体重減少が見られることがあります。
体重減少が一時的であれば問題ない場合もありますが、長期間続く場合はその原因を明らかにする必要があります。
意図しない体重減少が続く場合は、体全体に影響を及ぼす可能性があるため、放置せず原因を突き止めることが大切です。
意図しない体重の減少の危険性
体重減少には、「意図的なもの」と「意図しないもの」があります。
たとえば、ダイエットや特定の治療に伴う体重減少は基本的に問題ありません。
ただし、拒食症(神経性無食欲症)などの場合には、早期の医療的介入が必要となることがあります。
一方で、意図せず体重が減少している場合は、以下の点に注意が必要です。
元の体重の10%以上減少している場合
何らかの疾患が関与している可能性が高いため、早めに原因を調べることが重要です。
体重の20%以上が減少している場合
栄養障害や多臓器障害が進行している恐れがあり、すぐに適切な対応を取る必要があります。
体重減少が続くと、免疫力の低下や筋力の減少、さらには心血管系への負担増加といった二次的な影響も考えられます。
こうした体重減少は、健康状態全体に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早めに医療機関を受診することが重要です。
体重減少の原因
栄養不足
嚥下障害や口腔内の問題(歯の欠損や口内炎など)があると、十分な食事が摂れず、栄養不足に陥ることがあります。
特に高齢者では、噛む力の低下や味覚の変化も原因となるため、定期的に歯科検診を受けましょう。
消化器疾患
消化管に不調があると、摂取した栄養を十分に吸収できず、体重が減少します。
慢性膵炎や胃潰瘍、逆流性食道炎などの疾患が代表例です。
がん(悪性腫瘍)
がん細胞は体内で栄養を奪い、体重減少を引き起こします。
膵臓がん、胃がん、大腸がん、胆道がんなどは、体重減少が初期症状として現れることが多い病気です。
代謝・内分泌の異常
糖尿病や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)など、代謝やホルモン分泌に異常がある場合も体重が減少します。
これらの疾患では、食欲が増えていても体重が減るという特徴があります。
精神的要因
ストレスやうつ病は、食欲の低下や過剰なエネルギー消費を招き、体重減少を引き起こす場合があります。
長期間にわたるストレスは、体全体にさまざまな影響を及ぼすため、しっかりケアすることが大切です。
炎症性疾患
結核や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチなどの炎症性疾患では、体内でのエネルギー消費が増加するため、体重が減ることがあります。
加齢による筋肉量の低下
高齢者では、筋肉量の減少(サルコペニア)や全身の衰弱(フレイル)が原因で体重が減少することがあります。
適切な栄養摂取と運動習慣が、こうした状態の予防に役立ちます。
早期対応の重要性
体重減少はさまざまな病気のサインであり、原因を特定することで、適切な治療を受けて健康を取り戻せるケースが多いです。
特に、体重減少に加えて以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
・発熱や倦怠感が続く
・食欲不振や消化不良
・便秘や下痢が慢性的に続く
・黄疸や皮膚の異常
まとめ
体重減少は、体が発する重要なサインである可能性があります。
もし意図しない体重の変化に気づいたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。
日頃から体調の変化に気を配り、バランスの良い食事や無理のない運動を続けることが、健康を守る第一歩です。
三苫石井医院
自覚症状がないうちから適切な治療を行い、
心筋梗塞や脳梗塞、がんなどの重大な病気を予防できるよう、
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予防医療がますます重要になる時代です。
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